Gibson ES-335 Dot Reissueのトーンポット交換

Gibson ES-335 Dot Reissue (’96) のフロントピックアップのトーンが効かないと言うリペア。まずはフレットすり合わせ・ナット調整から開始。

Gibson ES-335 Dot Reissue トーンポット交換 57 Classic wiring 実体配線図 ナッシュビル
ピックアップは57Classic

最初fホールから取り出せると思っていたら、このタイプはfホールが小さく作ってあるのでポットはここからは出さずピックアップキャビティから芋づる式に引っ張って出す。

※ピックアップキャビティがfホール側に貫通していないES-335では、fホールから出し入れするしかないのでfホールはポットが出せるように少し大きくなっているそうだ。
※2回目のリペア時、狭いfホールからも角度によっては取り出し出来ることが判明。コンデンサーを背中に載せないなど工夫は必要。
詳細はコチラで→https://do9scrapbook.com/2023/07/06/gibson-es-335-dot-reissue-1996/

簡単なリペアで治るのならすぐに戻せるようにと、いちおう練習も兼ねてタコ糸を各パーツの先端を結んでみた。この時の結び方は『引き解け結び』という結び方。引っ張る方向ではどんどん締まっていく(もしくは緩まない)の用途に最適。

しかしジャックだけはギター側の穴の直径とネジ径がギリギリでタコ糸は巻くと穴から引っ張り出せないないので、後に細い針金を利用することにしてこの時点では何も巻かなかった。(手術用ゴムチューブがあるとタコ糸より楽にできるらしい)

※けっきょくタコ糸は事前に結んでおく必要はなく、とりだときにどうせ絡まるので外すときには何もせず、再度入れるときに針金を使ってタコ糸を導いてあげた方がぜんぜん楽という事がわかった。

Gibson ES-335 Dot Reissue トーンポット交換 57 Classic wiring 実体配線図 ナッシュビル

初めに出てきたのはリアのボリュームだった。2番目にリアのトーン、3番目はフロントのトーン、4番目にスイッチが出てきた。5番目にフロントボリューム、6番目にジャック。(後述するが戻す時の順序と大幅に違う。絡まって出てきた模様)

この時点で大幅にケーブル類がねじれて(タコ糸も)このまま戻すことはほぼ不可能そう。タコ糸は結ぶ必要はまるでなかった。

Gibson ES-335 Dot Reissue トーンポット交換 57 Classic wiring 実体配線図 ナッシュビル

この後何度かレイアウトを変えて眺めているとスイッチの半田部分が断線。かなり脆くなっているので全箇所を半田やり直す。

Gibson ES-335 Dot Reissue トーンポット交換 57 Classic wiring 実体配線図 ナッシュビル

テスターでチェックするとフロントトーンのポットが反応しなかった。念の為ボリュームからのリード線を外して導通確認すると断線していないことから、ポットの故障と断定。

Gibson ES-335 Dot Reissue トーンポット交換 57 Classic wiring 実体配線図 ナッシュビル

オレンジドロップ 0.02mF。サウンドハウスで売っている、MONTREUX Selected Parts / Sprague Orange Drop 716P 0.022uF 400V。

Gibson ES-335 Dot Reissue トーンポット交換 57 Classic wiring 実体配線図 ナッシュビル

ポット(CTS A500K)とコンデンサーをオレンジドロップに変え、トーンコントロールの修理は完了。リアのトーンもポット、コンデンサーを同様に交換。フロントおよびリアのボリュームはガリもないのでこのままにする。

本来のリペアはここの項目の10分程度のリペアで終了。

ここでスイッチ、ポット×4、ジャック、絶縁チューブを被せたブレイデッドワイヤー達のレイアウトをじっくりと研究する。弦アースを取るためのブリッジ下から来ている1mm以上ある太くて硬い針金がレイアウトの自由度を邪魔している事に気づき、いったん外すことにする。外した針金アースは赤い絶縁チューブを被せ一旦端っこに寄せてマスキングで固定。(ここから先は作業が困難を極めるので細かな写真がほとんど無し)

Gibson ES-335 Dot Reissue トーンポット交換 57 Classic wiring 実体配線図 ナッシュビル
入れていく途中でリアTポットに歯付きワッシャーとナットが付いたままなのに気付く。
フロントTポットには歯付きワッシャーがなかった(^_^;)

弦アースの針金は位置的にリアピックアップのブレイデッドワイヤーのかなりピックアップ側に固定してある為、全ての内部パーツを戻した後に半田付けが可能。針金を取るとレイアウトしやすくなり、順番もこうすれば、スルスルと入っていくはず。

Gibson ES-335 Dot Reissue トーンポット交換 57 Classic wiring 実体配線図 ナッシュビル

タコ糸はいったん抜いてしまったので、装着場所の穴から針金(0.7mmくらいのしっかりしたもの)を通し、ポットやスイッチ先端に結ぶ凧糸を取りに行き、引っ張り出してくる。ジャックだけはタコ糸だと穴から出ないので針金(0.3mm強のもの)にする。

※針金はきっちり巻きすぎてジャック穴へ導いた後、そこで針金を解くのに苦労した。シールド挿して抜けないように固定。わずかな隙間からピンセットで針金を徐々に解き小さなニッパーでカットしなんとか取れた。他の方法が良さそう。

Gibson ES-335 Dot Reissue トーンポット交換 57 Classic wiring 実体配線図 ナッシュビル Nashville

実際にはスルスルとは入らなかったが、ゆっくりとタコ糸が絡まないようにそっと入れていくとなんとかジャックが目標地点に到達。抜けないようにダミーのジャックを挿しておく。次にリアートーンポット。頭が出たら引っ張り出しワッシャーナットすぐ嵌める。

予想図の4と5は順番が逆になった。(原因は不明。入れる時にすでに逆だったかも)最後に弦アース針金をリアピックアップからのブレイデッドワイアーに巻きつけて半田付けし終了。音出しチェックも問題なし。パーツを全て戻す。

Gibson ES-335 Dot Reissue トーンポット交換 57 Classic wiring 実体配線図 ナッシュビル Nashville

ブレイデッドワイヤーを使うとアースが行ったり来たり重複箇所多数となる。オリジナルにこだわらず普通のリード線で配線した方が引っ張り出す、再び配置する時にも楽だと思われる。ネットで見るとセミアコに関しては多くの画像でツルッとした淡白な配線が多いのはなるほどそう言う理由だったのか。

リード線に置き換えると下記のように。ブリッジへ行くアース線の取り回しは現物を確認しないと出来るかどうか不明だが、これなら4箇所ほど結束バンドで固定するとスッキリ出来るかも。Fトーンポットからジャクのコールドのラインもスイッチ辺りから取ればポット類は独立して交換出来るのかも知れない。

Gibson ES-335 Dot Reissue トーンポット交換 57 Classic wiring 実体配線図 ナッシュビル Nashville
Gibson ES-335 Dot Reissue トーンポット交換 57 Classic wiring 実体配線図 ナッシュビル Nashville
オレンジドロップがチラっと見える
Gibson ES-335 Dot Reissue トーンポット交換 57 Classic wiring 実体配線図 ナッシュビル

Gibson ES-335 Dot Reissueのトーンポット交換」への2件のフィードバック

  1. 質問です。2枚目の配線図ですが、ピックアップからの配線とアースが結線しているように見えますが、誤植でしょうか?

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    1. こちらもピックアップからのリード線はブレイデッドワイヤー(網線)として描いてるのでポットの手前でアースしてる図にしてます。

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